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　SARS-CoV-2というウィルスが、感染することによっておこる病気を COVID-19（新型コロナウィルス感染症）と言います。COVID-19を発症したとは言いますが、SARS-CoV-2を発症したとは言いませんし、SARS-CoV-2 に感染したとは言いますが、COVID-19に感染したとは言いません。
　コロナウイルスは、その遺伝情報を細胞内部などに存在する核酸のひとつ「RNA（リボ核酸）」に持つウイルスの仲間です。分類上、コロナウイルス科（Family Coronaviridae）に属するウイルスのことを指します。このコロナウイルス科はさらに亜分類され、オルソコロナウイルス亜科とレトウイルス亜科にわかれますが、SARS-CoV-2 はオルソコロナウイルス亜科に所属し、さらに、その下の分類の属のうちベータコロナウイルスという属に属します。
コロナウイルスは、動物に感染するものが多数知られているのですが、ヒトに感染するものとしてはこれまでに 6種類 が知られていました。そして、今回流行している SARS-CoV-2 はヒトに感染する7種類目となっています。
　SARS-CoV-2以外の6種類のうち、4種類は主にヒトに感染し、ヒトコロナウイルス(Human Coronavirus〔HCoV〕)と呼ばれており、それらの名前はそれぞれ、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1 と呼ばれています。これらの 4種類は、いわゆる「風邪」(かぜ症候群)をおこすウイルスで、風邪の15％程度、流行期では35％程度はこれらによるものです。これらのコロナウイルスによる感染症は、多くは軽症ですみますが、時にはインフルエンザ様の高熱などの症状がでることもあります。
残りの 2種類の一つは、コウモリ由来と考えられ、2002年に広東省で発生して、重症急性呼吸器症候群（SARS）として認知され、SARS-CoV-1です。もう一つは、ヒトコブラクダに風邪を起こすウイルスで、ヒトにも感染し、2012年にサウジアラビアで発見され、中東呼吸器症候群コロナウイルス（MERS-CoV）です。今回のSARS-CoV-2というウィルスは、ある程度解明されているようですが、分からない部分も多いので問題になっています。
by キンバリー

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