コラム

COLUMN

ゲーム脳?

 何か社会的な問題が起きたとき、いわゆる有識者や専門家と呼ばれる人たちがマスコミに登場し、その原因や解決方法を解説することがあります。例えば、20年位前に、小・中学校での校内暴力が大きな問題となったことがあります。当時、脳科学者も新聞やテレビなどのマスメディアに登場し、原因や対処法について解説していましたが、最も頻繁に登場し、また全国的に広まったものが、コンピュータゲームに夢中になっている子どもたちの脳に原因があるという解説でした。いわゆる「ゲーム脳」と言われるモノです。記憶している人も多いかもしれませんが、簡単にいえば、コンピュータゲームを毎日何時間もやっていると前頭葉の機能が低下し、それは認知症と同じであり、注意力が散漫になり衝動性も増すため、暴力的にもなるという理論です。しかし、その根拠となったデータは、脳科学の主要な雑誌には掲載されておらず、ゲームをすることで起こる脳波の変化が認知症と同じであるという事実も確認されていません。そもそも認知症が一般的に、衝動性と暴力を増すかどうかも定かではありません。ゲーム脳の理論はすべてが不正確であり、当時から他の研究者や精神科医などから多くの批判の声が上がっていましたが、学校関係者や保護者の間では歓迎されて、教育委員会主催の講演会まで開催されたほどです。
 どのような問題であれ、一般の人は常にわかりやすい原因を求めています。校内暴力のようなやっかいな問題に対し、ゲームが原因であると独断的にいい切ったことで、この脳科学を装った理論はたちどころに全国に広がりました。さらにゲーム脳は、メディアが盛んに取り上げたこともあり、校内暴力以外のさまざまな問題にも広がりを見せ、凶悪事件が起こると、犯人はゲーム脳だった可能性があると報じられたこともありました。死者107名を出したJR福知山線脱線事故でさえ、運転手はゲーム脳だったという新聞の見出しがありましたが、現在、この理論は完全に否定されており、ゲームが前頭葉の機能を低下させるということも、またそれによって暴力的になるということも確認されておりません。メディアに出ている専門家が言ったことを鵜呑みにせず、正しい判断で過ごして欲しいと思います。
by 頃僕来
にほんブログ村 健康ブログへ
ブログランキングに参加しています。応援クリックをよろしくお願いいたします。

コラム一覧へ

人気の投稿

最近の投稿

アーカイブ

CONTACT

お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ

お問い合わせフォーム

06-6645-5885

上部へスクロール