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ワクチン接種で感染拡大?

 新型コロナウイルスのワクチン接種が2月下旬から日本でもスタートするようです。現時点で承認申請が行われているのはファイザー社のワクチンで、当面は16歳以上が対象になる予定です。ワクチンによって集団免疫が獲得できれば、感染拡大に歯止めがかかると期待されており、多くの人がワクチンを接種すると感染しない人が増えて、結果的に周囲の人たちも感染する機会が減って感染拡大が収束するという考え方です。しかし、今回のワクチンが感染拡大を抑制できるかは未知数で、むしろ感染を広げてしまう危険があると日本人研究者は警鐘を鳴らしています。
 ファイザーの臨床第3相試験では約95%の有効率が確認されていますが、参加した約4万人を「ワクチンを接種する2万人」と「偽薬(プラセボ)を接種する2万人」に振り分け、新型コロナウイルス感染症を「発症した人」の人数を数えて比較した数字です。接種した2万人のうち発症したのが8人、偽薬を接種した(ワクチンを接種しなかった)2万人のうち発症したのが162人だから、ワクチンを接種すれば接種せずに発症した162人を8人に減らせる効果は期待できるというモノです。しかし、カウントされたのはあくまでも「発症した人数」で、ワクチンを接種して発症しなかった人の中には、感染しても発症しない無症状感染者が含まれていた可能性があります。
 新型コロナウイルスは無症状でも感染させてしまうのが大きな特徴です。ワクチンを接種した人が、『これで自分は感染しないし、人にうつす心配もない』と過信して、手洗い、マスク着用、3密回避といった感染対策をやらなくなり、大人数での飲み会に参加するなどして他人と濃厚接触する人が増えると、感染を拡大させてしまう恐れがあります。また、ワクチン接種で作られる抗体の量や効果も未知数なため、どこまで感染を抑制できるかどうかがはっきりしていません。
 現段階では、ワクチンはあくまで「発症」を防ぐ効果が期待できるだけで、感染しなくなったり、他人にうつしたりするケースがなくなるわけではありません。ワクチンを接種すれば何の制限もなく行動できるようになるという考えは大きな勘違いで、手洗い等の基本的な感染対策は欠かせないことになります。
by スカラー
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