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免疫ができる?

 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)から回復した人々は、免疫を獲得できているか、否かの問いについて専門家らは、まだ明確な答えを見つけることができていないようです。
 免疫について、フランスの免疫学の専門家は「免疫があるというのは、あるウィルスを撃退できるだけの免疫反応が起きるようになるという意味で、ヒトの免疫システムは“一度感染したウイルスを記憶する”ため、通常は後に同じウィルスに感染することがなくなる」と説明しています。
 感染症の中には、一度感染して回復すれば生涯にわたる免疫(終生免疫)獲得できるモノがあり、“はしか”などがその代表例ですが、新型コロナウイルス感染症を引き起こす「SARS-CoV-2」のようなRNAウイルスでは、十分な量の抗体ができるまでに約3週間かかる上、その免疫による防御効果はわずか数か月しか持続しないと考えている専門家もいます。しかし、英ロンドン大学遺伝学研究所の所長によると、2002年から翌年にかけて流行したコロナウイルスの一種による感染症の重症急性呼吸器症候群(SARS)では、回復した患者の免疫持続期間は「平均して約3年」だったので同様の効果を期待しています。、
 今回の新型コロナウィルス感染症(COVIDー19)で、韓国や日本の回復後の患者の検査で陽性結果が出た例がありますが、最初のウイルスが排出しきれずに休眠・無症状状態で体内にとどまり、ヘルペスのような「慢性感染症」になっていた可能性が高いようです。また、COVIDー19については、ウィルスおよび抗体検査がいまだ完全ではないため、実際にはウィルスが消失していないのに検査で陰性と出る「偽陰性」の可能性もあり、その場合、数週間ほどの長期にわたって、感染力が持続する可能性があるとのことです。
 不確定要素が多い中、人口の大半に免疫がつけば、ウイルスは新たな「餌食」を見つけることができずに消滅するという「集団免疫」戦略の提唱に疑問を呈する専門家もいます。豪カーティン大学教授は、「現時点において、唯一かつ真の解決方法はワクチンだけだ」と言っていて、もうしばらくかかりそうな気配です。
By 筋知良
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