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睡眠薬での睡眠

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、男女ともに4割前後の人が睡眠の質に満足していないという調査結果があります。睡眠不足や不眠が続くと人間関係の悪化や事故、病気などのほか肥満やうつなどにつながると言われているので、医師の診察を受ける人が多いと思います。そして、西洋医学ではまず、睡眠薬が処方されます。睡眠薬は確かにとても効果があります。医師が処方する医療用医薬品の睡眠薬だけでなく、一般用医薬品の睡眠改善薬もあり、今まで睡眠薬使用経験のない方では非常に効果が出ます。しかし、睡眠薬の長期間使用はたいへん危険です。多くの睡眠薬には依存性があり、繰り返し薬を摂取することで、効果が切れてきたときに脳が自動的に薬を欲します。急に薬を摂取しなくなると離脱症状と呼ばれる、不眠、不安、イライラ、焦燥、頭痛、吐き気、抑うつなどが起こります。離脱症状のひとつに反跳性不眠といって、睡眠薬を使って眠れるようになっても、いざ薬を中断すると逆にひどい不眠症に悩まされ、睡眠薬から離れることができなくなるので、中断する際は漸減法といって用量を徐々に減らすなど注意深く減らす必要があります。
 そして、いちばんの問題となるのが、睡眠薬による認知機能障害の合併です。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を投与されている高齢者は、投与されていない高齢者と比べて50%以上もアルツハイマー型認知症になりやすく、ベンゾジアゼピン系の使用量が多く、使用歴が長いほどアルツハイマー型認知症になるリスクが高くなることをフランス・ボルドー・セガレン大学の研究チームが発表しています。多くの高齢者の認知機能障害のある方に多種・多用量のベンゾジアゼピン系使用歴のある確率が優位に高いのも事実です。また、睡眠薬には「脱力」「ボーッとする」「注意力・集中力の低下」などの副作用があるため転倒のリスクも高まります。
 対策には、眠れる、眠れないに関わらず決まった時間に布団に入り、決まった時間に起床することが大事です。ちなみに寝だめは、ホルモンバランスが崩れるためかえって良くありません。また、適度な運動を毎日行うこと、毎日寝る前に適度な温度(38℃~40℃程度)のお湯にゆっくり入浴し体を温めることなども重要です。寝酒や寝る直前の食事を避けて、生活のリズムを適切に整えることが、快適な睡眠には最も近道です。
by 頃僕来
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