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　多くの宗教で、“怒り”は人間の最もネガティブな感情と捉えられており、キリスト教では「7つの大罪」の一つになっています。また、徳川家康は「怒りを敵と思え」という遺訓に残すくらい、“怒り”は人の精神的な部分でマイナスなものと捉えられていますが、健康にも良くないという具体的な事実が最近の医療研究で相次いで明らかになっています。
　ものすごく腹が立つ出来事のすぐ後には心臓発作のリスクが8倍以上高まることを示す新たな証拠が見つかっています。怒りによって心臓発作や不整脈が生じやすいことを示す研究もあり、“怒り”は不眠症や過食、糖尿病を引き起こしやすいインスリン抵抗性（肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態のこと）につながる可能性があることも分かってきました。
　米デューク大学医療センター行動医学研究所の研究グループは「怒りは、われわれの身体のほぼ全てにとって有害だ」と話しています。同研究グループの代表は「怒りは致命的：健康を害しかねない敵意を抑制する17の方法」という著書にも載せています。強い怒りはアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを血流に放出させます。その結果、心拍数の増加や血圧上昇、糖代謝の活発化が誘発され、心臓にダメージを与え、動脈の内膜を損傷させるようです。
　オーストラリア・シドニーの急性心血管診療所が、心臓発作が確認された300人以上の患者に、心臓発作が起こる前の48時間に何らかの怒りの感情を経験しております。そして、極端な怒りを覚えた患者は2時間以内に心臓発作を起こすリスクが通常よりも8.5倍も高いことが確認され、欧州心臓病学会誌で発表されています。
“怒り”は、心身ともに良くないことが多いです。“怒り”の理由、原因を考えて、できるだけ“怒り”が起こらないように意識した、取り組みをしていきたいものですね。
by　ボヤッキー

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