新型コロナウィルス感染症のウィルスとの付き合い方以上に難しさを感じてしまうのが人付き合い方だと思います。世の中が不安に包まれている状況が長く続いているせいか、人と人との関係が何だかギスギスしています。周囲の人とささいなことでぶつかったり、ニュースや他人を見て腹が立つことが増えたり、ネットやSNSでも、どうでもいい熱い論争がいつも以上に繰り広げられています。
知り合いが「メディアなどの煽るニュースに感化されて語ってくる」「雑誌に掲載された内容を熱心に語ってくる」といった類のことを聞くケースは多々あると思います。しかし、それに反論したら、さらに面倒なことになるのは確実で、まともに取り合えば取り合うほど、不愉快な気持ちも膨らんでしまいます。場の状況や相手との力関係によって、「へー、そうなんですか」「〇〇さんは、よくご存知ですね」「私は、知識がないから、よくわかりません」というようなパターンで聞き流すくらいにしておいた方が、自分の心の平穏を保つために重要です。
未知のウイルスによってもたらされた未経験の状況に置かれて、誰もが暗中模索を続けています。どこまで気を付けるか、何を大切にするか、政府の方針にどこまで従うかということには「正解」も「間違い」もないし、もちろん「優劣」もありません。人間はちょっと気を抜くと、安心できる「正解」を求めようとしたり、自分と考え方や感覚が違う人を批判したくなってしまいます。「なんだそれ」と感じる発言や行動があっても、相手が悪いわけではないし、自分が賢いわけでもありません。相手に対しても自分に対しても、寛容に受け取り、適度な距離を取るという姿勢が大切です。
極端に用心深い人や極端に不用心な人には「お互いに気を付けたいですね」と上手くいなしていただくと人間関係を損なわないと思います。たいへんな状況ではありますが、不安の渦に巻き込まれてしまうと、感染した人をバッシングしたり東京差別や地方差別をしたり、他人の行動や政府に対して手当たり次第に文句を付けたりする「みっともないこと」をやってしまいかねません。それを予防するためにも、上手く「かわす力」を持ちたいものですね。
by スカラー
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