腰痛の多くは、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、慢性腰痛など、主に整形外科領域の疾患です。しかし、ときに腰痛や背部痛(背中の痛み)が、腎臓、肝臓、胆のう、心臓やその周りの血管、膵臓など、さまざまな臓器の病気のサインとして表れることがあります。
腰痛を主症状として訴える内臓の病気は、男性の場合は“尿路結石”、女性の場合は“急性腎盂(じんう)腎炎”が最も多いようです。さらに、腰痛をサインとする病気には、腎梗塞や腎臓がんなど、ときに命にかかわる病気もあります。整形外科領域の腰痛と、内臓の病気の重要な「予兆」としての腰痛を見極めることが重要となってきます。
内臓疾患とぎっくり腰などの整形外科の痛みを見分けるのに、最も基本的なことは、“痛み”が姿勢によって変化するか、否かが、目安になります。「体をひねる」「かがむ」「物を持ち上げる」といった動作によって腰痛の程度が変化する場合は、腰椎やその周囲の筋肉のトラブルが原因の整形外科疾患のことが多く、これに対して姿勢を変えても痛みが変化しない場合は、内臓疾患が原因である可能性が高いです。
また、「痛みが急に訪れた」のか、「慢性的なもの」かに分けて、姿勢によって変化しない腰痛、背部痛が突然やってきて、しかもそれが激痛であったときは、診断と治療に緊急性を有する、腎梗塞、脾梗塞、大動脈解離、心筋梗塞、胆石などが考えられます。このうち、最も怖い病気は心筋梗塞と大動脈解離です。ともに胸や腹部の激しい痛みを訴えることは知られていますが、症状が背中から腰にかけて出ることもあります。治療は一刻を争うので、突然の激しい耐え難い痛みに加えて、息切れ、不安感などを覚えたら、すぐに医療機関で確認することをお勧めいたします。
単なる腰痛と甘く見ないで、何が原因かをしっかり見極めるようにしたいものですね。
by 珍香鈴
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