糖尿病などの生活習慣病を引き起こす「肥満」も、セデンタリー(動かないでじっとしている状態)と深い関係があり、米国の全国健康栄養調査を解析した研究から興味深いことがわかっています。1990年から30年間かけて、米国では年0.37%ずつ平均BMI(身長と体重の比率から算出された数値)が増え続けています。この数字が増え続けているということは、デブ化が年々進んでいることを意味しています。ところが意外にも、30年間で米国人の摂取カロリーはほとんど増えていません。大きく変化したのが、セデンタリーの時間で、30年前に比べてセデンタリーの人は、女性が19.1%から51.7%へ、男性が11.4%から43.5%へと急増していると報告しています。米国の全国健康栄養調査の結果を解析した研究からは、摂取カロリーが同程度でも、太っている人は座っている時間が長いことも確認されています。
そして、それを解消するためにエアロバイクやウォーキングマシンを使う人が多いです。その理由は「運動は30分以上続けないと意味がない」と言われてきたからです。しかし、台湾の国家衛生研究院が41万6175人を対象にした調査から、「1日15分」でも大きな効果があることが確認されています。但し、身体の動きに意識する必要があるようです。忙しくてスポーツクラブに通う時間が取れない人も、1日15分位なら身体を動かすことはできると思います。
例えば、通勤時の歩行では、「いま運動している!」と意識すると同じ運動でも効果が高まります。ホテルのメイドを2つのグループに分け、一方にだけ「掃除やベッドメイキングも運動です」と教えると同じ作業をしていたにもかかわらず、そう教えられたグループだけ1カ月後に平均体重が1.5kg減り、血圧や血糖値も下がったというデータがあります。つまり意識するのと、しないのでは、結果に大きな違いがでるようです。筋肉は、頭からの指令で働いているので、テレビや映画を見ながら運動しても思ったより効果は期待できません。ながら運動をしている方、動かしている部分や動かし方に意識をもって行うと効果大きく変わりますよ。
by 筋治狼
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