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よく噛んで脳トレ

 しっかり噛んで食事をすることで、脳に良い影響があり、衰えを防ぐことができると報告されています。「奥歯をしっかり噛み締めよう」と思って顎を動かすときには、上顎と下顎をつないでいる「咬筋(こうきん)」と、こめかみの辺りにある「側頭筋(そくとうきん)」を主に動かします。そして、これらの筋肉がある場所には、血流のたまり場と言われる(「翼突筋静脈叢(よくとつきんじょうみゃくそう)」と「海綿静脈洞(かいめんじょうみゃくどう)」があるので、咬筋や側頭筋を繰り返し動かすとこの血液のたまり場がマッサージされ、脳全体の血液の巡りが良くなるという効果が生じます。
脳の中で、記憶の形成を担っている「海馬」という領域には、脳の活動によって適度な刺激が与えられると、神経幹細胞が神経細胞に分化して神経細胞数が増える仕組みがあることが分かっています。
 1999年、岐阜大学医学部の研究グループは、歯と記憶力の関係を探るため、年老いたネズミの奥歯を取り去った場合に、記憶力がどう変化するかを調べる実験を行いました。その結果、奥歯を失い餌を噛んで食べられなくなったネズミは、記憶力が悪くなるとともに、海馬の神経細胞密度が低下することがわかりました。2005年、北海道大学大学院歯学研究科と同大学病院の研究グループは、ネズミの奥歯を取り去り、噛まなくても食べられる粉末状の餌を与え、海馬の神経細胞にどのような変化が起こるかを調べました。その結果、奥歯を失ったネズミでは、せっかく海馬で新しい神経細胞が生まれても細胞自体が長生きしないことがわかりました。この結果は、奥歯を失うことで記憶力が低下するのは「奥歯でしっかり噛むことができないことが海馬の神経新生の減少につながり記憶力の低下をまねく」ことを示しています。よく噛んで食べることは、様々な面から脳全体によい影響を及ぼし、結果的に海馬の働きも高め、記憶力を高めるようです。
by chirune
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