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ビタミンK 続編

 以前、ビタミンKは、止血や骨形成等に作用することを紹介させていただきましたが、今回はビタミンKを含む食品についてご紹介させていただきたいと思います。
 ビタミンKを多く含む食品は、ほうれん草、小松菜、春菊など緑色の濃い野菜や海草類、納豆、チーズ、キムチなどの発酵食品にも含まれています。昔から私たち人類は、時間が経つと食品に得体の知れないものが生えてくることを知り、それを「カビ」と呼びました。カビは食品を腐敗させる一方で、時には食品をおいしく変化させることにも気付きました。そして、そのカビの力を応用して、食品を加工する技術を編み出しました。もちろん当時は、カビの実体や発酵のしくみはまったくわかっていませんでしたが、後にそれが酵母や細菌などの微生物の生命活動によって生じる化学反応であることが明らかにされました。
 日本の伝統的な発酵食品として、納豆、醤油、味噌、漬物、鰹節などがあり、世界ではパンやヨーグルト、紅茶、キムチなどがあります。そのほとんどの発酵食品には微生物が関わっており、その微生物がビタミンKを作り出しているのです。ビタミンKを産生するのは、発酵食品に関わる微生物だけではありません。腸内細菌(主に大腸菌)も、ビタミンKを作り出してくれます。そして、私たちは腸内細菌が産生してくれたビタミンKを体内に吸収して利用することができるため、腸内細菌叢が発達した大人は、ビタミンK摂取が少なかったとしても、そうそう欠乏状態に陥ることはありません。
 ただし、感染症対策のために抗生物質を飲むと、悪さをする細菌の増殖を抑えてくれる一方で、良い働きをしてくれている細菌も減らしてしまうので、腸内細菌からのビタミンK供給が減ってしまい、ビタミンK不足になることがあります。大腸菌の中には、病原性のものもあり、食中毒を引き起こすこともあるので、悪者とみなされがちですが、大半の大腸菌は無害です。それどころか、ビタミンKを作って私たちを助けてくれていると知ると、ありがたい存在に思えてきますね。
by chirune
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