ドイツで一般レベルの筋肉量約2倍の赤ちゃんが発見されたました。この赤ちゃん(男子)は、誕生時から顕著に筋肉量が多く、生後6日の時点で、大腿部の筋断面積が平均値に比べて2倍以上もあり、生後7ヶ月の頃には、通常の赤ちゃんよりかなり筋肉質な体型です。原因は成長因子の遺伝子であるミオスタチンの変異によるものとのことです。
ミオスタチンは、筋の成長を抑制する成長因子で、その遺伝子に変異が起こり、正常なミオスタチンが造られなくなると、筋肉が通常以上に発達することが報告されています。このミオスタチンは、筋肥大のスイッチにかかわる要素の一つであることが分かってきており、筋線維が肥大する時は、まず筋線維の周囲にある「筋サテライト細胞」という細胞が分裂・増殖する必要があります。その分裂・増殖のスイッチをオフにするのがミオスタチンで、逆にオンにするのが肝細胞増殖因子だと考えられています。トレーニングによって肥大した筋には、ミオスタチンの生成量が減少し、肝細胞増殖因子の生成量が増加していることが確認されています。
ミオスタチンの遺伝子は、3つのエクソン(タンパク質の合成の情報を持つ部分)の間に2つのイントロン(最終的にたんぱく質にならない部分)が入り込んでいる構造をしています。この赤ちゃんの遺伝子では、イントロンに変異があり、正常なミオスタチンがつくられないことが確認されています。
筋肉を大きくしたい方には、凄く羨ましい話ですが、筋細胞がミオスタチンの影響を受けずどんどん発達してしまうと、そのライフスタイルによっては体型がどんどん変化してしまいます。例えば、モノを引っ張ることが多い職業の方の場合、その部分ばかりの筋肉が成長してしまって、姿勢が崩れてしまって変形したり、関節障害等の様々な障害が起こってしまいます。また、がん細胞が筋肉に発生した場合、ミオスタチンがなければ瞬く間にそのがん細胞がどんどんと分裂し、拡大してしまいます。こういったことを防ぐためにミオスタチンは働いているので、間違ってもミオスタチン抑制剤などは利用しないようにしてくださいね。
by 筋誤労
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