老化の進行とともに基礎代謝は、低下することは周知されていると思いますが、基礎酸素消費量の加齢変化でも、20歳代から低下することが確認されています。また、クレアチニン排泄量の加齢変化も基礎酸素消費量とほぼ平行するような低下を示しています。人体中で最も酸素を多く消費する器官は筋組織で、クレアチニン(筋肉を使った後に出てくる老廃物)の 尿中排泄量は、全身の筋肉量の指標となるので、 骨格筋が縮小していくことが、 加齢による変化を裏付けています。つまり、 酸素を最も多く消費する骨格筋量の低下が、 全身の酸素消費量を低下させていると考えられています。
酸素消費は、筋組織によるものと筋組織以外によるものの大きく二つに分けることができます。筋組織以外での酸素消費量には、年齢による変化が少ないので、 酸素消費量とクレアチニン排泄量を同時に測ることにより、 筋組織の消費量を推定することができて、筋肉量の増減が確認できます。老化、運動不足により酸素を多く消費する筋組織が縮小することが確認されていますが、食事量が極端に減ることがないなら、脂肪組織は増えることになり、動くことが億劫になります。老年者における基礎代謝の低下の要因は、老化も否定できませんが、運動不足が一番と言えます。しかし、規則的な運動を毎日行って、筋組織の維持に努めれば、高齢者になっても基礎代謝量の低下を防ぐことができる可能性が十分にあるということです。
90歳を超えても草笛光子さんや渡辺貞夫さんは、現役で未だに活躍されています。また、世界マスターズ陸上競技協会認定の100m走で、90歳で16秒台の世界記録を出された田中博男さんは、60歳からトレーニングを始めたそうです。95歳までに更に記録を更新させたいと希望を語っておられます。筋肉は、老化が一番遅い組織なので、老化と決め付けてしまわないで精進したいですね。
by ボヤッキー
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