脚力が弱くなった、関節が痛くなった等の脚のトラブルというと、大腿四頭筋(脚の前の筋肉)が注目され、鍛えるように言われます。確かに、人体の筋肉の中で最大の筋肉群で、脚を支えて、膝の伸展等の脚の動きには欠かせない筋肉です。しかし、脚の筋肉(膝関節を取り巻く筋肉)は、大腿四頭筋だけでなく、裏側のハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)、殿筋、内転、外転筋群も無視できない存在です。さらに、膝窩筋(膝の裏側の筋肉:大腿骨の外側顆から脛骨の内側の後面に位置する)や足底筋(足裏から大腿骨外側顆辺りで膝窩筋に重なるように位置する)の存在も見逃せないのです。
整形外科の医師に指導されて脚の筋肉を鍛えているのに、膝の裏の痛みがなかなかとれない方がいます。あまり重要視されていない膝窩筋や足底筋の硬縮が原因であるケースが代表的な例です。ひどくなるとベーカー嚢腫と呼ばれる滑液包が炎症を起こしてしまいます。膝を屈曲(曲げる)、滑走(滑る)、回旋(捻る)という動きを考えずに、伸展(伸ばす)、屈曲(曲げる)だけと捉えてしまうと、見逃しやすい部分です。大腿四頭筋とのバランスがとれずに硬縮し、機能低下してしまい、痛みや違和感を訴えだすケースが多いです。特に、内旋(内側に捻る)といった膝への負担回避の動きにはなくてはならない存在なので、膝の裏側の痛みのなかなか取れない方、膝窩筋や足底筋をもう一度確認してみてください。大腿四頭筋が、働きすぎて膝の動きを乱していることで、膝窩筋などに負担が大きくなっている可能性が大きいです。
大腿四頭筋は、基本的にはブレーキとして作用する筋です。ですから、歩行などの動作の時にあまり使用しない方が、疲れが少なく、スムーズに動けます。また、大腿四頭筋を使うことを減らすと脚の形も良くなります。テレビで、専門家と言われる人が、脚力アップに大腿四頭筋を鍛えることを提案していますが、大腿四頭筋ばかり鍛えてもあまり効果は期待できないように思います。
by スカラー
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