女性より男性の方が、身体的に強い、運動能力が高いことは、今までは何の疑問も持ちませんでした。ところが、少なくとも耐久力に関してはそうではないようです。走る距離が長くなれば長くなるほど、男女間のタイム差が小さくなる報告が多々あります。過去23年間に行われた15,000以上のレース結果を分析した結果、5kmレースでは男性が女性より17.9%も速いのですが、フルマラソン(42.196km)になるとその差は11.1%に縮まります。100マイル(160km)レースでは男女間の差はわずか0.25%。そして195マイル(約314km)以上のレースでは、女性の方が0.6%男性より速くなっている結果がでています。
超長距離を走るレースでは男女の差はほとんどなくなる、あるいは女性の方が優位に立つ傾向が、膨大な市民ランナーのデータからも確認できます。この理由は、女性の方が体内に貯蔵する脂肪の量が多く、一方で筋肉量が少ないため、長時間の運動をする際にエネルギーを効率的に使用できるようです。女性の方が男性よりカロリーを消費するペースが遅く、特に気温が高い状態でペースを維持することに生理学的に有利だと結論づけています。
スポーツ心理学的なアプローチにおいても、女性は男性より長時間を一定のペースを保って運動することに適していると結論づけた研究もあります。別の心理学研究では、男性は女性に比べると走る前に予想タイムを実力以上に見積もる傾向があり、さらには長時間を一定のペースを保って運動することに耐えられないので、レース前半を飛ばしすぎて後半に大失速する男性ランナーが多いとの結論を述べています。男性も女性もレース後半に失速する人の割合はほぼ92%で変わりはないものの、男性の落ち幅は平均して女性より大きいようです。
フルマラソン以上の距離のレースを見る機会は少ないですが、見る機会がありましたら また違った視点をお楽しみくださいませ。
by びわの葉
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