カビ(真菌)と聞くと、どんなものをイメージしますか?「パンに生えてくる青カビ?」「お風呂場の目地に生えてくる黒カビ?」色々な場所や物をイメージするかと思いますが、私たちの体の中にもカビが生える事があるということ、ご存知でしょうか。
代表的なものに「カンジダ」があります。「カンジダ」は、培養すると酒饅頭のような甘~い香りがするのが特徴で、染色液で染めるとコロコロとした青く染まる丸い形をしています。健康な人の口の中や皮膚にも常在菌として存在しており、普段は特別悪さをするようなものではありませんが、まれに肺など体内の深部で感染し、その恐ろしい牙を剥くケースがあります。こうした病気を深在性真菌症といい、がんの治療などで免疫力が低下している患者さんに多く見られます。体内の深部で感染した「カンジダ」が血中に流入して感染を起こした状態を「カンジダ血症」と呼び、その死亡率は30%~50%強と高く、とてもこわい病気です。
「カンジダ血症」では早期に治療を開始することが予後改善に不可欠なため、血液中に「カンジダ」が発育した後、24時間以内に抗真菌薬を投与する事が推奨されています。微生物検査では、採血した血液中の「カンジダ」をまず増やしてから検査を進めていくのが通常ですが、発育速度が遅いため1~3日程度の時間を要してしまいます。
そこで「カンジダ」のような真菌が、生えてくるより前に早く深在性真菌症を推定する検査として、カビの細胞壁の構成成分である「β-D-グルカン」を測定する検査があります。対象患者さんから採血した血液を使用して測定しますが、開始からおよそ90分で結果が出るようです。
体調が悪く、検査しても分からない時は、この検査を受けて、特定するのも良いかもしれませんね。
BY SYU
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