放射線は、人体にはたいへん良くないと言われていますが、どの程度でどう影響するのかをご存知の方は少ないと思います。簡単に確認していくと放射線が人体に照射されると、その放射線が人体の一部にエネルギーを与えることによって、その人体の一部を構成する原子をイオンと電子に分離します。そのような分離が、細胞の損傷、破壊等を起こすことで癌、不妊、最悪の場合は死に至る状態を引き起こします。ですから、放射線から身を守るには、(1)放射線によって被曝される時間を短くすること(時間)、(2)放射線源と自分との間に楯となるものを用意すること(遮蔽)、(3)放射線源から離れること(距離)の3つが重要です。
被曝した人自身が受ける影響で更に a.急性影響、b.晩発影響に分けられます。
a.放射線による急性の影響(全身照射)
線被曝線量(mSv) 症 状
250以下 ほとんど臨床的症状無し
500 白血球(リンパ球)一時減少
1000 吐気、嘔吐、全身倦怠リンパ球著しく減少
1500 50%の人に放射線宿酔
3000 5%の人が死亡(骨髄障害)
4000 30日間に50%の人が死亡
6000 14日間に90%の人が死亡(中枢神経障害)
7000 100%の人が死亡
b.晩発性の影響には、がん、白血病、放射線白内障などが挙げられます。
国際放射線防護委員会(ICRP)によると、1Svの放射線被曝をしたときに生涯のあいだに生じる致死的なガンの発生確率は0.04%と報じています。また、被曝した本人ではなく子孫へ伝わる影響もよくいわれますが、広島や長崎の原爆被爆者に対して行ったこれまでの調査では、放射線によってヒトに遺伝的影響が増加したという報告はないようです。しかし、国際放射線防護委員会がまとめた動物実験結果では 10mSvで1/10000の確率で遺伝的影響が現れると報告されています。いずれにせよ不要な放射線は、極力浴びないようにしたいものです。
by 太久籠
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