東京都健康長寿医療センター研究所などの研究グループが発表した高齢者の多剤処方に関する論文によると、都内の後期高齢者の患者は、平均で6.4種類の薬を処方され、なかでももっとも多いのが「降圧剤」で、66.5%の人が処方されていると報告されています。
歳を経るごとに血圧は上がるため、「降圧剤は服用を始めたら一生のつき合い」と言われます。しかし、徳島県のあるクリニックには、全国から“降圧剤をやめたい”という患者が訪れ、「4年ほど前から、新規患者を受け入れられない」ほど多くなっているようです。
10年前に受診した方は、血圧を測定したら上が160以上で、『合併症のリスクがある』と言われ、降圧剤のノルバスクを処方されたようです。しかし、薬の服用に抵抗があり、受診したようです。
ラーメンが大好きで、週に3、4回は食べていたんですが。『ラーメン1食で1日の塩分摂取量を超えるからやめましょう』と言われました。しかし、どうしても耐えられないので、週に1回だけ許してもらい、そのペースで食べるように指導されました。すべての食事を制限するのではなく、どうしても食べたい好物を許容する代わりに、食べる頻度を制限してもらって、管理栄養士に血圧がコントロールできているかどうかを観察してもらっています。高血圧対策を始めて、最初の半年間は食事ごとに塩分をチェックされていましたが、自然と舌が慣れ、レトルト食品や納豆を食べると、塩辛く感じるようになったようです。
また、「運動しなさい」とも言われますが、運動が好きではないのでどうしてもサボってしまいます。しかし、厳しい制限を課すとストレスを感じる方も多いので、極端に数値が悪化しない限り、ゆるやかな指導にしているようです。これらの取り組みで自分の血圧の変動に気づけるようになったと言っています。
食事に限らず、譲れない物事は必ずあります。それを“血圧に悪いから”と全面的に禁止するのではなく、一定のレベルで許容しながら、高血圧による合併症を発症させないよう注意していくことが高血圧対策だと思います。ストレスを抱えてまで、何が何でも断薬すべきとは思っていませんが、断薬、減薬したい人は心おきなく話せる医師を見つけることから始めていただければと思います。
by 破易怒
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