「椎間板ヘルニア」の言葉を一度は耳にしたことがある方は多いと思います。背骨(椎骨)の間にある軟骨(椎間板)が、変形したり、つぶれた状態のことを言います。椎間板の構造は、形は大福もちに似ていて、もち部分に当たる強靭な外側の軟骨部分の中に“あん”に当たるゼラチン状のモノが入っています。大福もちをイメージされると脆弱なモノですが、腰椎の椎間板では耐久荷重は約700~900㎏と言われています。そんなに強靭な構造なのにヘルニアの方が多いのは、同じ部分に負荷が持続的に長時間かかってしまうからです。どんな強いモノでも、長期間の負荷がかかり続けると変形や素材の劣化に繋がってしまいます。
そして、椎間板は、背骨を支えるだけでなく、動きの補助や負担の分散に働いています。通常の生活で、この椎間板への負荷は、まっすぐ立っている状態で腰椎には、体重に相当する負荷がかかっています。そして、固いいすに正しく座っている状態では、体重の約1.4倍、ソファに座っているときは、約2.5倍、上向きに寝ている状態でも、体重の約0.7倍、横向きになると0.6倍になります。腰の痛い方が、横向きになるのは、腰の負担が一番小さいからなのです。
しかし、椎間板は構造的にこれらの何倍もの負荷に耐えられるようになっていますが、水滴が岩に穴をあけるのと同じで、弱い力と言えど同じところに負荷がかかり続けると耐えられなくなり、椎間板ヘルニアとなってしまいます。
今までは、ヘルニアは治らないと言われていましたが、ヘルニア部分への負担を減らしていけるような身体の使い方をすれば改善する可能性は十分にありますので、簡単に飛び出ているところを切除したり、補助具を埋め込んだりしないでヘルニアが起こった原因を確認してみてください。
by 珍香鈴
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