「横紋筋融解症」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。横紋筋融解症は、骨格筋細胞の融解や壊死が起こり,ミオグロビンなどの筋細胞成分が血液中へ大量に流出し,急性腎不全を起こして致命的となることもある疾患です。例えば、発症後、急速に進展し、急性腎不全から高カリウム血症や代謝性アシドーシスにより死に至ることもあり、たいへん怖い病気です。
横紋筋融解症は、複数の原因によることが多く、過度の運動、機械的な圧迫(圧挫症候群)、激しい全身性痙攣などの外傷が原因になったり、先天性代謝性筋疾患、感染症、低カリウムや低リン血症、薬剤、熱中症、閉塞性動脈疾患などによって発症します。そして、意外に多いのが、薬剤による副作用として発症する場合です。脂質異常症(高脂血症)治療薬のフィブラート系、あるいはHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)による症例が代表的ですが、ニューキノロン系抗菌薬(抗生物質),パーキンソン病治療薬,抗精神病薬でも発症することが報告されています。
横紋筋融解症は,筋肉痛と筋力低下が起こり、筋の硬結、腫脹を伴うこともあり、ほとんどが下腿を中心に発現します。また、大量の筋肉の成分(ミオグロビン)の血液のへの流失により、腎臓の尿細管がダメージを受ける結果、急性腎不全を引き起こし、呼吸筋が障害されれば、呼吸困難になることもあります。更に、多臓器不全などを併発して生命に危険が及んだり、回復しても重篤な障害を残したりする可能性があります。
以前は、傷害が原因で発症することが多かったようですが、現在は服用している薬の副作用が原因になっていることが多く、厚生労働省も注意を呼び掛けています。「下腿の筋肉が痛む 」「痺れる」「力が入らない」「こわばる」「全身がだるい」「尿の色が 赤褐色になる」などの症状が続くようであれば、医薬品の服用をいったん中止して、すみやかに担当医師や薬剤師さんに相談してください。
BY SYU
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