体内水分のIN/OUTバランスは、水の摂取量と排泄量が同じ(ゼロバランス)であることで保たれます。つまり、そのバランスを保つために必要となる最小水分量は、その1日の排泄量を下回らない量ということになります。1日の必要水分量は、尿量 + 便 + 不感蒸泄(発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失)によって求めることができますが、不感蒸泄量が算し難いと思われていました。しかし、医薬基盤・健康・栄養研究所などのプロジェクトチームは、成人は1日で総水分量の平均約10%を代謝によって体外に失っていることを突き止めたと発表しています。代謝量は、運動能力や年齢、居住環境などによって個人差が大きいですが、推測できる計算式も開発して、米科学誌サイエンスに掲載されました。
このプロジェクトチームは、通常より重い水素と酸素を含む水を飲んでもらい、尿を分析すれば、水分の代謝量を測定できることに着目しました。過去に実施した調査のビッグデータを集め、23カ国の生後8日から96歳までの男女計5604人の分析の結果、成人男性が平均的に体内に保持している水分40リットル程度のうち、20~35歳は平均4.2ℓを1日の代謝で失っていたことが確認されました。代謝量は、高齢者や体重の軽い人では少ないですが、4ℓ近くは失われていることになります。だから、汗をかいていないから、あまりトイレに行っていないから、水分が失われていないことではないということになります。
体内の老廃物は、体内を循環している血液によって集められ、腎臓で水と一緒にろ過されます。体外排泄に必要な尿の量は、一日あたり約1.2ℓといわれており、老廃物の排泄には少なくとも約0.5ℓが必要といわれていますので、代謝によって水分が失われていると老廃物の排泄に影響するので水分補給の必要があります。寒くなってくると一般的に水分摂取が少なくなりますが、高齢者は、特に意識して水分摂取が必要です。
by 自奇留
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