地球上のほとんどの生物は、酸素を使って身体の中でエネルギーを得て生きています。この酸素が他の物質と結び付くことを「酸化」と言います。人間の身体は、約37兆個の細胞からできていますが、その一つ一つの細胞が血液から酸素と栄養分を受け取り、エネルギーを得て生きています。身体が健康であるということは、身体のすべての細胞に酸素と栄養分が適度にいきわたり、細胞が元気だということです。
空気中の酸素は比較的安定していますが、呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝の過程で極めて不安定な状態になります。そして、不安定になると、近くにある物質と結び付き易くなります。この時の酸素は酸化力が強く、「活性酸素」と呼ばれるモノです。呼吸で取り入れた酸素の中から毒性の強い活性酸素という物質が作り出されてしまって、細胞を傷つけて、ガンや心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす要因となります。更に、アトピー性皮膚炎、シミ、シワの原因となったり、老化のスピードを早めたりもしています。
活性酸素は、体内を転げまわり、触れたものなら何でも破壊していって、抑制されないままだと細胞の損傷と病気を広げていってしまいます。特に、細胞膜を形成する脂質との結合を好み細胞膜を破壊してしまいます。動脈や静脈を配列する細胞に致命的なダメージを与え、血管を弱らせると、血管は傷つきやすくなり破裂を起こしたり、動脈の硬化を進行させる(アテローム性動脈硬化)動脈凝血プラークを誘因することにも繋がります。
呼吸によって体内に取り入れられた酸素のうち、約2~3%が活性酸素になると言われています。そして、酸素を吸って生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることのできないものですが、上手く処理する機能も人の身体には備わっています。
次回は、活性酸素の必要性について紹介させていただきます。
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