痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。痛風と聞くと連想されるのが「プリン体」です。プリン体を取りすぎて痛風を発症すると聞いたことがあると思います。プリン体とは、多くの人が体にとって悪いものと思っていますが、運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で,常に体内で作られています。また、生物の細胞中に含まれる遺伝子の構成成分で、生命活動に必要なものです。私たちは日頃の食事を通して、プリン体を摂取していますが、食事だけではなく、実はプリン体の8割(1日に約500㎎)は、体内で生成されているのです。
体内のプリン体は、細胞の代謝・増殖などに利用され、利用されなかった一部のプリン体は肝臓で尿酸に分解され体外へ排出されます。1日に体内で産生される尿酸はおよそ700mgです。1日で排泄される量も700mgなので,体内の尿酸は常に一定の量(健康成人男性の場合およそ1,200mg)に保たれています。これを「尿酸プール」と呼びます。この尿酸が体内で尿酸が過剰に作られている状態(産生過剰型)や排出される量が減っている状態(排泄低下型)また、その両方が起こり体内での尿酸の収支が合わず黒字になってしまうと,尿酸プールが溢れ1デシリットル当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えます。これが痛風の原因である「高尿酸血症」です。
その後溶け切らない過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まり、運動などをきっかけに尿酸塩結晶の一部が関節液中に剝がれ落ちると,それを敵と見なして白血球が集まってきます。その結果風が当たっても痛い程の激痛が走るところから痛風と呼ばれるようになりました。
生活習慣(食事、運動、睡眠、ストレス)の改善は治療の基本です。薬物治療で尿酸値を下げるだけでなく、日々の生活習慣を見直すことを心がけましょう。
by コオロギ
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