筋肉1kg当たりの1日のエネルギー消費量は、約20kcalあると言われています。これは、骨格筋に流れ込む動脈血の酸素濃度から静脈血の酸素濃度を差し引いた分の酸素が、筋肉で代謝された酸素量をエネルギー代謝量に換算したものです。筋肉の量は、体重の約40%とすると体重60kgの成人男子の場合なら、筋肉量は24kgで、約480kcalのエネルギーを代謝することになります。
更に、筋トレをして筋肉を太く重くした後で基礎代謝を測定すると、筋肉1kg当たりの代謝量が上昇するようです。その変化は、20~150kcalと差はありますが、筋肥大することで筋肉1kg当たりのエネルギー消費は、平均して約50kcalにアップしているようです。つまり、体重60kgの成人なら、筋肉量24kgとして1,200kcalとなり、代謝量が2.5倍に跳ね上がるということになります。
筋肥大することによって、代謝量がアップするのは、運動での筋収縮することでの消費されるエネルギーではなく、熱を作り出すことによるエネルギー代謝と考えられます。筋肉が熱を作り出す際、大きな影響を及ぼしているのは、交感神経で、活性化すると、筋肉の熱産生の効率がアップすることが確認されています。
また、筋トレによって交感神経と副交感神経のリズムにメリハリがつくということも明らかになっています。そして、肥満の人は、交感神経と副交感神経、どちらの活性も弱く、熱産生レベルも低くて基礎代謝量も少ないですが、一定期間、運動をさせると自律神経のリズムが整ってくるので、代謝も上昇してきます。有酸素運動でも、その効果は狙えますが、強度が弱い分、時間がかかるので、効率が良いのは筋トレだと研究で確認されています。
つまり、筋トレで自律神経が活性化し、その結果、熱産生エネルギーがアップし、安静時代謝が上がり、痩せやすくなります。また、一日の生体リズムにもメリハリがつくので、精神状態も安定します。是非、お試しください。
by 筋知良
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