小麦粉に水を加えることでできる「グルテン」という成分には中毒性があり、眠気を引き起こすほかさまざまなアレルギーの原因になりうるともいわれており、このグルテンを摂取しない食事方法を「グルテンフリー」と言います。海外のアスリートやモデルの間で流行になった「グルテンフリー」は、日本でも小麦粉の一部・もしくは全てを米粉で代用した食品が見られるようになっています。しかし、米粉は小麦粉ベースの洋食にアレンジするのが難しく、20年ほど前までは、「パンらしさ」を持った米粉パンを作ることは不可能だと言われていました。
小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」と呼ばれる特別なたんぱく質が含まれており、水を加えて捏ねることで、この二つのたんぱく質が立体的な網目構造を作り上げます。この編目構造によって生地は丈夫になり、イースト発酵によって発生した二酸化炭素を生地の中に閉じ込めることができて生地は膨らみ、オーブンで焼くことで、ふっくらとした食感を生み出します。
一方、米粉には「グルテニン」と「グリアジン」がまったく含まれておらず、同じように水を加えて捏ねても〝グルテン〟は形成されないので生地は弱く、そのままイースト発酵を行っても、発生した二酸化炭素は生地の中から外へと出て行ってしまいます。結果、オーブンで焼いても生地は膨らまず、硬くていびつな、パンと呼べないモノができてしまうのです。
そこで、グルテン以外の方法でパン生地を丈夫にすれば、米粉100%のパンができるのではないかと考えられ、多様な方法が考案されました。代表的なものは、マメ科の植物の実から抽出したグァーガムなどの増粘多糖類を加えることで、生地の粘度が上がって丈夫になり、二酸化炭素を逃がさず膨らませるモノです。こうしてできる小麦粉・グルテンを使わない米粉100%パンは、グルテンフリーと呼ばれ、小麦アレルギーの人でも食べることができるパンになっています。
小麦アレルギーは、重篤度が高く、発症数も増えているので、その代替食品となる米粉パンには期待が寄せられています。
By ルン
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