肺腺がんは、肺の奥の粘液などを分泌する細胞にできて、喫煙の影響を受けやすい扁平上皮がんは、肺の入り口付近の細胞(組織)にでき易いがんと言われています。
肺がんの原因は、喫煙に因るものが大半と思われてきましたが、肺腺がんの場合、喫煙での扁平上皮がんほど大きな影響はないようです。その原因は、さまざまな調査研究から、「女性ホルモン」と「汚染大気」の2つが有力視されています。
女性ホルモン(エストロゲン)については、月経期間の長い(初潮が早く、閉経が遅い)女性や、エストロゲン補充療法を受けた女性に、肺がんの発症率が高いことが確認されています。このことからエストロゲンの影響についての研究が進められ、現在ではエストロゲンの体内合成にかかわる遺伝子と、肺がん(特に、肺腺がん)との関係や発症の仕組みが解明されつつあります。その結果、エストロゲンの量や濃度が、肺腺がんのリスクを高める要因の1つであると考えられ、タバコを喫わない女性に、エストロゲンの影響が大きい傾向がみられることも指摘されています。
エストロゲンは、高脂血症や高血圧の予防にも役立つ大切な女性ホルモンですが、月経期間の長い女性やエストロゲン補充療法を受けた女性の場合は、エストロゲン濃度が高くなる機会が増え、量も多くなるので、それだけ肺腺がんのリスクも高くなるようです。
また、空気中にあるさまざまな有害物質(PM2.5など)を吸い込むことも原因の一つとも考えられています。肺の末端にある肺胞では、白血球の一種である肺胞マクロファージが有害物質を感知し、除去し、肺胞の機能が守られています。しかし、肺胞マクロファージが有害物質を取り除くとき、活性酸素が発生し、細菌などの除去に役立っていますが、大量に発生すると正常な細胞まで傷つけてしまいます。その結果、肺胞付近の細胞にがんが発生するリスクが高くなります。
予防のためには、「風邪など呼吸器系の病気に気をつける」、「ウォーキングやジョギングは、排気ガスの多い幹線道路沿いを避け、公園・緑地などを利用する」、「筋力を低下させない」などを心がけてくださいね。
by グランブラー
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