「腕が挙がらない、挙がりにくい」、「腕を挙げる時に、肩や腕に違和感や痛みが出る。」この様な症状が起こると、一般的には肩の関節に問題があると考えられて、いわゆる四十肩や五十肩と呼ばれる代表的な症状として扱われます。ただし、ここで一番問題になってくるのは、肩関節そのものに原因があるのではなく、その多くの痛みや違和感の原因となっているのが、肩甲骨の動きに問題があるケースがほとんどです。
通常、腕を挙げる時は肩甲骨も一緒に動いており、その連動した動きは、肩甲上腕リズムと呼ばれています。だから、腕を色んな角度や方向に動かす際には、肩甲骨も一緒に動いているので、腕の動きが大きくなればなるほど、肩甲骨も大きく動きます。ただ、現代社会の生活環境では、長時間のパソコンやスマートフォンの使用が当たり前になっており、首が前方に突っ込むような姿勢や、背中が円くなって、猫背の姿勢(円背)になることで、首周りや背中の筋肉が硬く凝り固まってしまい、肩甲骨の自然な動きを阻害してしまう結果、腕を挙げた時に、肩周辺の筋肉に過度な負担が掛かって、痛みや違和感の発生に繋がるのです。
当方に通われて約一年半の70代男性利用者のケースですが、円背があり腕を挙げる際に、強い痛みこそありませんでしたが、右肩が挙がらないので、バンザイの姿勢ができませんでした。最初はその方が動ける範囲で、当方の提案する運動療法(BTP)に取り組んでいただいていましたが、今では負荷をかけた状態でも、しっかりとバンザイの姿勢がとれるようになりました。適切に負荷をかけて、全身の運動はもちろん、肩甲骨を動かす運動を続けた結果、背中の筋肉がほぐれ、肩甲骨の動きを取り戻すことができました。こちらの男性利用者の方は、現在も更なるレベルアップを目指し、通ってくださっています。
by chirune
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