臓器脱とは、骨盤の中に収まっている子宮、膀胱、直腸などの臓器が膣の中に落ち込み、膣壁と一緒に体外に脱出してしまう症状の事を言います。脱出する臓器により名前が異なって、単独の場合は、子宮脱、脱腸等の呼び名になります。又、同時に脱出してしまうこともあります。
原因として、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋群の働きの低下や、その周辺組織である靭帯の機能の低下が考えられます。加えて、腹圧が強く作用すると骨盤底の筋肉や靭帯などにも強い負荷がかかるので、その負荷に耐えきれず、これらの症状が起こってしまうと言われています。そして、臓器脱に関する薬による治療は難しく、一般的には手術が推奨されています。
臓器脱と深く関わりのある骨盤底筋の働きを高めることとが、臓器脱の予防に繋がることは広く言われるようになっています。そして、骨盤底筋群の働きが落ちる一番の原因に姿勢不慮が挙げられます。骨盤底筋群は骨盤内臓器を支えるだけでなく、排泄、臓器の働きの補助、姿勢の保持、
股関節の動きにも大きく影響しています。これらの働きに大きく関与しているのが、身体の深層部に位置するインナーマッスル(深層筋)で、上部に横隔膜、下部に骨盤底筋群、側面や前面、背面には腹横筋や多裂筋などの筋肉が配置され、腹腔内の臓器の安定、作用を担っています。腹腔内臓器、特に骨盤内臓器は、正常な筋肉の働きにより正しいポジションに位置され、正常な機能が保たれています。
しかし、日常的に丸まった姿勢や前傾した姿勢、長時間同じ姿勢が続くと、
身体の筋肉のバランスの乱れて、腹腔内臓器は上部の横隔膜に押し潰される形で圧迫されてしまい、その臓器が骨盤底筋群に負担をかけてしまいます。つまり、正しい姿勢維持することが、重要なことになります。そして、その姿勢保持に作用するのが、下半身のハムストリングや殿筋、内転筋などの働きを高めて、骨盤を正常な位置をさせ、合わせて背中の筋肉の働きも高める必要があります。長時間座って細かい作業やデスクワークをされる方は、肩甲骨も含めて身体が固まらないようコマメに動かしてあげてくださいね。
by COMO
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