歯周病の怖さについては、これまでも多くの歯科医が警鐘を鳴らしてきましたが、米国では、10年以上前から危険性がクローズアップされていました。歯周病のような慢性的な小さな炎症が、がん、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の悪化に大きく影響するということが、ラスベガスで開催された“米国抗加齢医学会総会”で、多くの発表者が、これを取り上げていました。発表の内容が、歯周病を『心血管疾患の主要な、中心的な原因』として指摘するものが多かったとのことです。
歯周病は『もの言わぬ病』と言い、初期の段階では、自分でも分かり難く、自覚症状もほとんどありません。そして、自覚症状が出てきたときには、病気はかなり進行していて、治療が非常に難しくなっていることが多いようです。歯周病は、歯肉と歯の根の部分(歯根)の間にある歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支えている骨を溶かしてしまい、最終的に歯が抜けてしまう『歯肉と骨の感染症』です。歯周病は、今や成人の8割がかかっているとされる国民病にもかかわらず、病気と思っていない人が少なくありません。
『高感度CRP』は、慢性の炎症の度合いなどを知るための検査として使われるようになっていて、この検査によって、歯周病の治療をするとCRPの数値が下がるという驚くべきデータが報告されています。
普段、口にする食品の中には、健康に悪い影響を及ぼす成分などが使われているものが多く、知らないうちに体に取り入れていることは多いです。過剰な糖質(精製度の高いもの:例えば、玄米より白米、全粒粉のパンより白いパンは精製度が高い)は、血糖値を急激に上昇させて、炎症を起こし易くします。また、ω6系脂肪酸(リノール酸など)は、取り過ぎると動脈硬化などのリスクが上昇し、炎症を促進する活性物質を産生します。さらに、トランス脂肪酸も要注意で、加工油脂を使用した菓子、揚げ物などの取りすぎは、同様に炎症を促進させるようです。
身体に炎症を起こし易い食べ物の過剰摂取に加え、歯周病になると、生活習慣病の悪化はますます促進されてしまいます。口の健康は、身体の健康に通じます。正しいケアをしていきたいですね。
by 珍香鈴
クリックお願いします。
コラム
COLUMN
CONTACT
お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ
お問い合わせフォーム
06-6645-5885