気温が低下し、空気も乾燥するこの時期は、インフルエンザや風邪、そして新型コロナウイルスなどの感染症への警戒が必要です。昨年の巣ごもりやこの正月で増えた体重を落としたいといった目的で運動を始める人は多いと思います。しかし、結果を急ぐあまりに過度な運動をすることは、免疫機能を低下させることになります。運動で体に大きい負荷をかけるほど、ウイルスや細菌などと戦う免疫力が低下してしまいます。
ハードなトレーニングを行うと、急激なエネルギー消費や組織へのダメージが大きく、それらを修復させるために強く再生されるというメリットがある一方で、高強度の運動の持続時間や頻度が多くなるほど免疫機能は低下し、回復するまでにも時間がかかるので、感染症リスクが高くなることが確認されています。つまり運動には免疫機能を高める働きはありますが、やり過ぎたりすると逆効果になります。
アスリートではない健康な高齢者24人を運動する群としない群に分けて、運動と免疫の関係について調べました。運動する群は、太ももやお尻の筋肉を鍛えるレジスタンス運動(強すぎない筋トレ)を週2回、16週間実施した結果、「適度な運動をした高齢者では、免疫の指標となる唾液中のSIgA(分泌型免疫グロブリンA)の分泌速度が30%ほど増加しました。しかし、行わなかったグループは変わりませんでした。※ SIgAは、感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原体の侵入を、鼻腔や咽頭などの粘膜表面で防御する抗体のことです。病原体が粘膜を通り抜け、細胞に侵入して増殖を始めると感染が成立しますが、SIgAは粘膜を覆う粘液の中で病原体に結合して感染を食い止めます。
特に、せきやくしゃみとともに飛ぶ飛沫や手に付着した病原体が粘膜下に入ることによって感染する一般的な風邪やインフルエンザ、新型コロナウィルスなどの上気道感染症では、粘膜免疫を担うSIgAが正常に分泌されていることが防御のポイントとなります。適度な運動をプラスすることで、感染予防はより強固となるので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
by ベクトル
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