国立がん研究センターなどの研究グループは、40~69歳の日本人男女約8万人に対して、1日に摂取する食品数によって対象者を5つのグループに分類し、約15年の追跡期間中に発生した死亡(全死亡・がん死亡・循環器疾患死亡・その他の死亡)との関連を調べました。
その結果、女性のなかで、1日に摂取する食品種類がもっとも多いグループでは、もっとも少ないグループに比べて以下のように死亡リスクが低下しました。
・全死亡のリスク:19%低下
・循環器疾患死亡のリスク:34%低下
・その他の死亡のリスク:24%低下
また、魚・肉・野菜など個別の食品群についても調査したところ、女性では大豆製品を摂取する種類が多いほど全死亡リスクの低下がみられました。一方、男性では女性に比べ、アルコールの摂取頻度や喫煙率が高いため、それらが死亡リスクに与える影響が大きく、さらに摂取する食品のうち肉類が多いため全死亡のリスクが上昇する傾向があることから、明確な関連は確認でませんでした。
また、名古屋学芸大学の研究では、国連の食物供給量のデータなどから、人口100万人以上の世界137ヵ国の食品の多様性をスコア化して確認したところ、一年間のデータで比較すると食品の多様性が高い国ほど、健康寿命も平均寿命も長いことが分かりました。そして、国民1人当たりのGDP・高齢化率・医療費・食物エネルギー供給量・教育歴を調整して比較してもこの傾向は変わりませんでした。
日本の食事での品種の多さは世界137ヵ国中2位、健康寿命はもっとも長い結果となりました。研究グループによると、食品の多様性の指標が0.1増加すると、健康寿命は約4年延びると推定されるとのことです。
食材の種類が少なければ栄養素が偏りやすくなりますが、多くの種類の食材を摂ると栄養素が充足するため、疾患の予防ができたり、認知機能の低下も抑えることができて、健康寿命も延びます。なんとなく「多くの種類の食品を摂った方が良い」と思っていた方も、今回の研究結果や、日本の食品種類の多さ、健康寿命の長さを見ると納得できるのではないでしょうか。特別な知識がなくても、「多くの種類の食品をバランスよく」ということだけ念頭にいれておけば、気軽に始められそうです。
by 破易怒
ブログランキングに参加しています。応援クリックをよろしくお願いいたします。
コラム
COLUMN
人気の投稿
最近の投稿
JOINT BY JYOINT
2024.11.10
筋膜の特徴と役割
2024.11.08
柔軟性
2024.11.06
頭の良さは、脳の大きさ?
2024.11.04
筋肉の収縮
2024.11.02
アーカイブ
CONTACT
お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ
お問い合わせフォーム
06-6645-5885