人の身体の仕組みは、たいへん優れていて、目にゴミが入ると、涙が出てきます。そして、鼻にほこりや花粉、ウイルスが入ると、これらを追い出そうとして鼻水が出ます。鼻水には、異物を体内に取り込まないように洗い流す役割があります。また、鼻から吸った空気を適度に加湿したり、温度を調節して体の乾燥等を防いで、炎症を予防するために気道の粘膜や肺を保護する働きもあります。
鼻水は、身体が健康な状態でも、1日に分泌される量は約1.5リットル以上出ていると言われています。通常、鼻水の大半はのどの奥へ流れこみ、唾液などと一緒に胃へ飲み込まれています。この鼻水は、体の活動全般をつかさどる自律神経によって調整されているので、自分の意思とは関係なく出ています。だから、思わぬタイミングで鼻水がずるずると止まらず恥ずかしい思いをしたこともある人は多いと思います。
例えば、温かい麺類や汁物を食べるときに鼻水が出てくることありませんか?これは、鼻から入る熱い湯気を冷ましてから肺に送るための防御反応なんです。自律神経の働きで、湯気を熱いと感じたときには、鼻水を出してその熱を冷まそうとしているのです。この場合、鼻水は、取り込む空気の温度調節をしています。
また、寒い屋外に出た時や動いた後に鼻水が出てくることもあります。これは、冷たい空気が鼻に入ってくると、体温に近い温度に温めようとして、血流を促すために毛細血管が開きます。すると鼻水の分泌量が増えてきます。さらに、運動することで、体温が急激に上がったり、血流が増えたりするために、鼻や肺の中の粘液が一時的に増えることがあります。鼻が出たときに、風邪かもと思うかもしれませんが、汚い空気や冷たい空気の作用で出ていることもあります。くれぐれも鼻水が出ても、薬など飲まないようにしてくださいね。
by 珍香鈴
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