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何故、眠るのか?

 私たちが「なぜ眠るのか」については、いろいろな学説・仮説があります。しかし、一般向けによく言われるような「睡眠は脳の休息である」という言い方は誤りです。最も深く眠っていると考えられているノンレム睡眠中も、大脳皮質のエネルギー消費率を測定すると、日中とほとんど変わらない値が見られます。また、大脳皮質の神経細胞の活動性を観察してみても、活動率は覚醒中とほとんど変わりません。つまり、脳は休んでいないのです。
 更に、レム睡眠中になると、むしろ大脳皮質の活動量は覚醒時より上がると言われています。コンピュータに例えてみると、スイッチは入れたままで、オフラインのメンテナンス作業をやっているような状態と考えることができます。このメンテナンス作業の一つが、睡眠中に「記憶」が整理されて、より定着すると言われていることです。この記憶の種類としては、エピソードとしての記憶や知識としての記憶、スキルとしての記憶などがあります。
 睡眠を例える時によく使われるのが「ししおどし」です。ししおどしの筒が上を向いて水が少しずつ溜まっているのが「覚醒」の状態で、やがて水が溜まってカタンと下を向いて水が出ていくのが「睡眠」の状態です。少しずつ水が溜まっていくのが「眠気の蓄積」と言えます。しかし、ここで例えた「水(つまり眠気)」が、実際の脳の中ではどのようなものなのかは、まだ明らかにされておらず、睡眠科学の最先端の課題と言われています。
 眠気という現象が1日の間にどのように変化していくのかについては、2つのプロセスがあります。1つ目のプロセスが「恒常性制御」で、単純に起きている間に、睡眠欲求が溜まって、眠ると解消されるというものです。2つ目のプロセスが「体内時計による制御」です。例えば、時差ボケや徹夜明けで実感できると思います。これらの2つのプロセスが重なることで、眠りに導かれていると考えられます。そして、一定の覚醒度を昼間に保つことが出来ているのは、これらの条件を踏まえた状態と言えるようです。少なくとも良い睡眠に繋げるには、適度な運動と規則正しい食習慣にして、早めに寝るようにすることですね。
by グランブラー
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