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多裂筋

 多裂筋は、腰背部の深層についており、インナーマッスルに分類される筋肉です。また、多裂筋は「横突棘筋群」と呼ばれる背部の筋肉群の1つであり、半棘筋(頭・頸・胸の3つに分類)、回旋筋(長・短の2つに分類)と協同することが多く、その働きのほどんどは大きな運動はなく、わずかに動く程度です。
 多裂筋は「腰多裂筋」と「胸多裂筋」「頸多裂筋」の3つの筋肉に分類されます。仙骨から腰椎に付着する「腰多裂筋」は5つの筋束から形成されており、脊柱を支える(安定させる)ために非常に重要な筋肉となります。両側が同時に働くことにより腰を反る(伸展)、反対側が働くことで脊椎のをひねる(回旋)、片側が働くことで脊椎を横に倒す(側屈)、脊椎と脊椎同士を連結させ、脊柱を安定させること(固定)が主な作用となります。
 腰部多裂筋は、腰部骨盤帯の安定に重要な役割を果たし、調和のとれた動作を可能にします。一方で腰部多裂筋の活動性の低下は、動作の緩慢のみならず、腰痛などの問題を引き起こす要因にもなります。多裂筋は、体幹の回旋時に作用する筋として知られており、多裂筋の活動の低下を防ぐことは、ゴルフやテニスなどの回旋運動を伴うスポーツにおいて、怪我や腰痛予防に非常に重要です。
 最近の研究によると「疼痛側の多裂筋は筋スパズムを発生させ疼痛が生じ筋力低下と筋萎縮を呈しており、非疼痛側の多裂筋は代償的に弛緩しているため、疼痛側だけでなく非疼痛側へもアプローチする必要がある」と報告しており、多裂筋と腰痛の関係性について説明しています。これらのことから、回旋動作を伴うスポーツと腰痛を考える上で、「多裂筋」は無視できない筋であることが分かります。
 背中に位置する多裂筋は、胸腰筋膜を介して腹横筋と連結しているので、多裂筋が働くと同時に、体幹のインナーマッスルである横隔膜や腹横筋、骨盤底筋群が同時に収縮します。腰は、強固な骨や靭帯が少ないため運動時の負担も多くなるので、これらの筋肉が腰回りを覆い、しっかりと働くことで『腰のコルセット』としての役割を担っているので、重要な存在です。
by グランブラー
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