ヒトは、どのくらいの時間寝ないでも大丈夫なのでしょうか?
動物の断眠実験では動物を眠らせないようにすると食事の量は増えるのに体重は減少し,体温が低下し体毛が抜けおちて皮膚に潰瘍などを生じて数週間で死んでしまう結果が出ています。睡眠は単なる身体的休息ではなく、記憶の整理や神経細胞の修復という重要な役割があるので、その眠りを妨げられることは、脳が休息する機会を奪われて、細胞が壊れていくばかりとなるからと報告されています。
断眠への、さまざまな挑戦が行われているようですが、現在の公認記録は1964年にアメリカの高校生が作った264時間12分(約11日間)です。これ以外にも、類似した実験は数多く行われているようですが、実験の間に被験者は判断力の低下や錯乱、意識障害、人格変異などが見られたようです。身体的にも問題はあると思われますが、それ以上に脳にかかる負担は相当大きなものになるようです。
予防医学を専門の研究者によると、10年に及ぶ被験者の追跡調査から、男女とも死亡率が低かったのは睡眠時間が7時間と答えたグループだったようです。これよりも短い睡眠のグループも、長い睡眠のグループも7時間の睡眠のグループには及ばなかったと報告しています。詳しいメカニズムについては報告されていませんが、7時間の睡眠だから健康になるのか、健康的な生活リズムの人に7時間睡眠をとることになるのかは不明なようです。
この報告では、7時間睡眠が良いと出ていますが、年齢や季節、そして体調によっても変化するものと思います。また、睡眠の質が大きく関係してくるので、7時間寝ていないから不健康、早死にと考えるのは早計なように思います。睡眠時間が、5時間程度でも元気に過ごしている方も多く、大リーグの大谷選手のように10時間寝る人もいます。つまり、睡眠の量というより質を重要視する方が良いように思います。
by 太久籠
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