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チェストグリッピング

 体幹の回旋は、基本的に胸椎の作用が大きいですが、デスクワークなどの姿勢により広背筋・外腹斜筋等の胸椎に影響する筋肉が過緊張を起こし、胸郭下部の動きを制限して、胸椎の回旋に制限がかかってきます。このような体幹回旋の制限を「チェストグリッピング」と呼んでいます。チェストグリッピングが起こると、回旋機能をほとんど持っていない腰椎による過剰な回旋を強制されるため、腰痛などのリスクに繋がってしまいます。
 このチェストグリッピングを解除させるための筋肉として呼吸補助筋の作用しかないと思われていた下後鋸筋が働くことが判明しました。体幹が回旋する際は胸郭が連動して開きますが、下後鋸筋はこれに関与していると考えられています。また、体幹回旋では上肢を一緒に後ろへ回すと広背筋がメインとなりますが、下後鋸筋は、上肢と広背筋の動きを抑制した上で、体幹に特化した回旋に働く機能を持っていると考えられています。この機能が、最大限活躍している場面として、ゴルフなどで体幹を捻り振りかぶるような動作が挙げられます。
 肋骨の背面下部に位置する下後鋸筋。解剖学的に見ると、息を吸う際に胸郭の下側が狭まらないように引っ張り、横隔膜を安定させる「呼吸補助筋」としての役割がメジャーな位置づけでしたが、体幹をひねる「回旋」の動き、しかも最終可動域において重要な働きを担うことが明らかになりました。つまり、運動パフォーマンスを高めるのみならず、姿勢の保持にも不可欠な筋肉ということです。
 体幹の回旋はほぼ全てのスポーツにとって必須な動きであることはもちろん、日常生活においても欠かせない動きとなるためぜひ機能を引き上げておきたいものです。チェストグリッピングの影響は側屈のやりづらさで判別できるため、チェックしてみてください。胸郭の可動性を高めて呼吸を深め、チェストグリッピングを制御して疲れない姿勢を保ちたいですね。
by スカラー
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