9月に入り陽が短くなって、季節の変化を感じています。しかし、夜は少しずつ涼しくなっているように感じますが、日中はまだまだ暑く夏日が続きそうです。暑い日は汗をかくと思いますが、この「汗」は何のために必要なのか確認していきたいと思います。汗は、体温調節をはじめとして、人体にとって重要な働きをしています。汗を分泌する汗腺には、エクリン汗腺、アポクリン汗腺、アポエクリン汗腺があります。そして、エクリン汗腺からの発汗には、温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗があります。
・温熱性発汗は、体温上昇によって発汗量が増加する現象で、気温の上昇や運動・労働で体温が上昇したときに体温調節を図るためにみられます。皮膚表面の汗(水分)が蒸発することにより気化熱が放散して体温を下げる
・精神的発汗は、緊張、不安、驚き、興奮などの精神的な刺激によって引き起こされるものです。温熱性発汗とは違い体温調節には関係のない発汗と言われています。主に手のひら、足の裏、脇の下など特定の部位に限定され、短時間で発生することが特徴です。
・味覚性発汗は、香辛料などの辛い物を食べたときに、味覚の刺激によって引き起こされる反射的な発汗のことです。この発汗は通常、顔や額、鼻の周りを中心に起こります。
本日は、この時期に関わりの深い温熱性発汗について確認していきたいと思います。
汗は、生命維持の中心的な中枢である視床下部から交感神経を介して伝達されると、神経終末部よりアセチルコリンが分泌されて、エクリン汗腺側のムスカリン受容体に結合することで、発汗が起こります。この汗が皮膚上に出てきて、蒸発することで体の熱が奪われ体温の上昇が抑えられます。汗をかくことを煩わしいと思っている方もおられますが、体温の上昇を抑えて熱中症などから身体を守ってくれます。
また、ヒトが汗をかく理由は、熱に弱い脳細胞を守るためと考えられています。だから、汗をかくことは、大切なことですが、適切に汗をかけるように準備しておく必要があります。普段から運動を習慣にして、無理のない範囲で汗をかきやすくしておくことで、気温の上昇にも備えることができ、夏バテや熱中症予防にもなります。
by 梅おにぎり
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