生理痛は、個人差が大きく、その苦痛は当人にしか分からないことが多いです。生理痛のメカニズムの中心となるのが、生理のときに分泌される女性ホルモンで、女性の体に備わった生殖システムが、身体に様々な作用を引き起こします。その一つに、腰部周辺の筋肉にもマイナスに働いてしまい、負担をかけてしまうこともあります。
例えば、プロスタグランジンは、子宮を収縮させる働きがあり、経血を体外に排出するのが役割ですが、血管が収縮する作用もあるため、血流が滞って体が冷え、腰痛につながってしまいます。また、「リラキシン」は、特に妊娠時に多く分泌される女性ホルモンの一種で、分娩時に赤ちゃんが産道を通れるよう、骨盤の関節や靭帯をゆるませる作用があります。
月経前~月経中にも分泌され、骨盤を開くことで経血をスムーズに出させることに役立ちます。妊娠・出産のためには欠かせないホルモンですが、リラキシンの影響で骨盤内の関節や靭帯がゆるむと、骨盤全体がぐらついて不安定になります。不安定な骨盤をサポートするため周囲の筋肉に負荷がかかるなどして、腰痛の症状を引き起こしてしまうと考えられます。だから、骨盤まわりの筋肉が弱っていたり、バランスが崩れているとトラブルを起こしやすくなります。つまり、この付近の筋肉の働きを高めることは、生理時の腰痛対策にはたいへん有効なのです。
デスクワークなどで気がつくと同じ姿勢を続けている人は、筋肉の緊張が続くことになっているので、骨盤周辺の筋肉にも大きな負担となり、バランスを崩す原因になります。腰痛というと、腰の問題と思いがちですが、股関節が問題になっている場合が多いです。股関節が硬くなると、股関節の動きを補うために腰を過度に動かしてしまい、その結果、腰に負担がかかります。
生理中の痛みを軽減するためにも、座って脚を組む習慣があれば控えるようにし、30分に一度は立ち上がるようにし、階上に行く時は階段を使うといった小さな心掛けで、骨盤まわりの筋肉の働きを低下させないです。そして、女性の腰痛予防・改善のためには、適度な運動が重要なことは言うに及ばず、体を冷やさないことなども意識してくださいね。
by ガッキー
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