日常で起こる色々な痛みに対処するために痛み止め（鎮痛剤）を利用される方は多くなっています。しかし、鎮痛剤は、効果は大きいですが、用途を気にしてあげないと身体に大きなデメリットをもたらしてしまいます。
　解熱鎮痛薬として最も一般的なのが、非ステロイド性抗炎症薬（ロキソニン等）という種類で、英語の頭文字を取ってNSAIDsと呼びます。体内の「痛み、炎症、発熱」などを引き起こす物質である「プロスタグランジン」が作られるのを抑えることによって、炎症に伴う腫れや痛みをやわらげ、熱を下げます。しかし、プロスタグランジンには胃粘膜を守る働きもあるため、これを抑えると胃が荒れやすく、胃もたれ、腹痛などが起こり、ひどい場合には、胃炎、胃潰瘍などの消化性潰瘍を引き起こすこともあります。
　また、鎮痛剤を使用し過ぎて頭痛がおこることを「薬物乱用頭痛」と言います。頭痛の治療薬や市販の鎮痛剤を頻繁に服用すると、頭痛がひどくなるといった報告があり、頭痛がひどくなり、さらに鎮痛剤を服用するといった悪循環に陥ります。他にも人によっては喘息が起こったりすることもあり、何か異変がある時は使用を中断し、医療機関で確認するようにしてください。
　痛み止めは、素晴らしい鎮痛作用が期待できますが、体の痛みは体からの警告信号になります。体に異変があるからこそ、それ以上体に無理をさせないようにするために痛みが生じます。痛み止めを服用したからといって、根本的な原因が解決する訳ではありません。痛み止めを服用するのではなく、自分の体の痛みにしっかりと向き合い、「何が原因で痛みが出ているのか？」をしっかり確認し、その原因を取り除くように取り組むことが、根本的な痛みからのからの解放になります。
　また、最近の傾向として、以前は処方箋が必要だった鎮痛剤が、市販薬として簡単に入手できるようになっていて、利用する人がすごく多くなっています。鎮痛剤の副作用として、胃腸の調子が悪くなる、肝臓に負担をかけると言った消化器系の害しか知られていませんが、鎮痛剤は痛みという感覚に作用するので、脳への影響はかなり大きなモノになります。認知機能の低下のリスクが上がることも論文発表されていますので、無暗に鎮痛解熱剤を利用するのは、「絶対良くない！」です。
by 自奇留

クリックしていただくと順位が確認できます。