タンパク質は、筋肉や臓器などの体の組織を構成する主な栄養素なので、たくさん摂るように言われています。特に高齢者は、筋肉が減ってしまうことを警戒させる目的もあり、たんぱく質を摂るように言われています。
確かにたんぱく質は、筋肉や身体を構成する材料で、必要な酵素やホルモン、免疫を司る抗体など、さまざまな物質を作っていて、1g当たり4kcalのエネルギー量を持ち、体を動かすエネルギー源としても使われます。そして、これらのタンパク質は、常に分解合成を繰り返し、少しずつ新しく生まれ変わっています。体のタンパク質が分解されてできたアミノ酸の一部は尿素に変換され、腎臓から尿として排泄されるので、これらを補給するために、食事からタンパク質を摂取することが必要です。
しかし、牛肉などの動物性タンパク質は、腸内に住む悪玉菌のエサとなり、体内にとって有害な物質を作り出します。動物性タンパク質を過剰に摂取することで腸内環境のバランスが乱れ、便秘や臭いおならが出るなどの症状を引き起こします。また、タンパク質を摂りすぎると、過剰分を排泄するために腎臓に負担がかかります。特に慢性腎不全の発症リスクが高い人では、腎機能を悪化させる可能性があります。
糖尿病や肥満の人、腎機能が低下し始めた人などはタンパク質の摂りすぎに注意しなければなりません。また、同じタンパク質でも、摂取する食品によって腎臓への負担が異なることが研究によって示されています。慢性腎不全の発症リスクを高めるタンパク質源は、牛肉や豚肉などの赤身肉です。鶏肉や魚、大豆製品などに置き換えることで、リスク軽減に役立つとされています。
尿路結石は尿中の尿酸などの物質が結晶化し、石のように固まる病気です。できた石は腎臓や尿管などを傷つけ、激しい痛みや血尿などの症状を引き起こします。動物性タンパク質を過剰摂取することで尿中の尿酸が増加し、結石ができやすくなります。つまりタンパク質の摂り過ぎは、身体に色々な負担になるので、少なめにする方が良いようです。
by ドクトル・ノブ
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