最近、二ュースで取り上げられているりんご病ですが、正式名称がエリスロウイルスB19(ヒトパルボウイルスB19)と言って、ウイルス性の感染症です。5〜9歳、次に0〜4歳の子どもに多い流行性の発しん性の病気で、両頬がリンゴのように赤くなることから、伝染性紅斑、りんご病と呼ばれています。春から夏にかけて流行しやすく、飛沫感染または、接触で感染しますが、ウイルスが全身へまわっている時期に採取された輸血用血液によって感染するケースもあります。
このウイルスに感染しても症状は軽いことが多く、無症状のこともあります。しかし、症状があまり出ていない時期に他の人に感染させ易くなります。その後、さらに1週間が経過して頬が赤くなり、続いて腕やふとももにレース状のまだら模様の発疹が出てきます。この特徴的な皮膚の症状によって初めて「りんご病」と診断がつきます。「りんご病」と診断された時には、すでに抗体ができてウイルスは消失しています。
「伝染性紅斑」という名前だと、いかにも感染させそうですが、頬が赤くなった時には感染力はなくなっています。従って、「りんご病」と診断されても、お子さんが元気な場合は幼稚園、保育園、学校には登校してもうつすことはありません。
大人のリンゴ病でよく出やすい皮疹は「紫斑」とよばれ、アザのような形になります。左右対称で体幹や手足にでてきて、中には手足がパンパンに浮腫んで痛くて曲げられない人もいます。また、「関節痛」も多く、手首、足首、肘、膝に対称的に複数の関節痛を訴えることが一般的ですが、頸部痛や腰痛などを訴える例もあります。発熱は大人のリンゴ病の41%の方で出るようですが、多くは38.5度未満であったと報告されています。
症状などを比較すると大人のリンゴ病は、子供のリンゴ病とは全く異なる疾患であることが確認できます。特に妊娠中に感染すると胎児にも大きな影響があります。そのため、周りのお子さんがリンゴ病になった場合、むしろ感染対策すべきなのは「大人」だということです。
by トッポギ
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