霊長類の中でも人間に近いとされるチンパンジーですが、人間の手の構造や機能との違いを確認させていただきたいと思います。
チンパンジーは、樹上でつるや木の枝を伝う生活をする為、親指以外の四本の長い指で木の枝など引っかけて移動しています。だから、ヒトよりも指や掌が長くて全体的に縦長で、親指が短いのが特徴です。また、チンパンジーの握力は、200kg以上あり、リンゴなどは簡単に握りつぶすことができます。因みに、人間の成人男性の平均が約45kgなので、チンパンジーは、ヒトの4倍以上の握力を持っています。つまり、チンパンジーの機能や形態は、木の上での移動や生活を助ける上で必要とされることで獲得されたモノと思われます。
ヒトの手は、チンパンジーなどの他の霊長類に比べても親指が長く、母指が他の指と対向していることで、物を掴んだりするのに優れています。また、手関節や肘関節、肩関節が連動して動くことにより自由度が高く、力強い動きができます。更に、母指、人差し指、中指の発達によって、より細かい動きが出来るようになりました。
細かい作業をする場合、肩甲骨の動きを抑える必要がある為、母指から始まる三指を使うのが正解と言えます。しかしながら、現代人の多くはこの三指が使いやすいために、常にこの部分を多用してしまいます。三指中心の使い方になると、肩甲骨の動きが出難くなり、肩甲骨周辺の張りやコリに繋がります。悪化すれば、腕を上げる、外に開くと言うような動きにも支障をきたし、首や肩、肘、前腕などに痛みを伴うケースもあります。
重いものを持つ時や強く握る時、細かい作業以外では、小指や薬指をメイン使うと強い力が出せます。買い物をして、重いモノを持つときは小指中心に持つようにすると楽になります。手を使う動きには、肩甲骨の動きが関わってきますので、細かい作業をする方、デスクワークで同じ姿勢になりやすい方は、肩甲骨周辺を動かしていただければ、肩や首の張りは軽減されます!
by COMO
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