アニメのポパイは、ほうれん草を食べると筋肉がたくましく盛り上がって、超人的な力を出せます。その時に腕の筋肉の盛り上がりは、すごくて、すごい力が出せそうなイメージを与えてくれます。しかし、力こぶ作る筋肉である上腕二頭筋を損傷することで、筋肉を鍛えていなのに“ぽこっ”と盛り上がることがあります。これをポパイ徴候・ポパイサインといい、上腕二頭筋腱を損傷もしくは断裂の症状になります。中高年男性に発生しやすいと言われています。人により加齢変性で腱が脆弱化して、ちょっとした力でも切れやすくなったり、弾性を失った腱に急激な力が加わることで発症します。
　上腕二頭筋の特徴として名前の通り二つの頭、付着部分があります。肩側の付着部分（起始）は、長頭が肩甲骨の関節上結節　短頭が烏口突起（肩甲骨）にそれぞれ付いています。また肘側は橈骨粗面（停止）に付いています。この様に上腕二頭筋は肩関節と肘関節をまたぐため腕の様々な運動に作用します。腱を痛めたり、切れてしまったりすると、力こぶを作った時（上腕二頭筋収縮時）に腱が筋肉に引っ張られて力こぶの位置が変わり“ぽこっ”とします。肩に近い方の長頭腱で起きることが多く、上腕二頭筋腱断裂と聞くと怖いですが、二頭筋の特徴で片方を痛めても、もう片方が動きをカバーしてくれるため日常生活に支障が出ない場合が多いと言われています。
　また、上腕二頭筋腱断裂は、野球やテニスなどの腕に負担がかかりやすい、腕を酷使するスポーツや重たいものを運ぶ土木作業や工場作業でも発症リスクがあります。この場合、筋力の低下で競技や仕事に支障がある場合は外科的手術も行われます。しかし、本人も気づかないうちに発症した場合は、特に治療を必要とせず、筋肉や腱の柔軟性を促進するために、肩甲骨の動きを改善するように取り組んでいただく必要があります。肩や肩甲骨の周辺の働きが悪いと腕に負担がかかりやすいので、日頃からバランスよく体を動かすようにしたいですね。
by　健幸運動志同士　みさぽん

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