筋痙攣(筋肉がつること)は、突然起きて短時間持続いて、疼痛を伴う筋または筋群の不随意収縮のことを言います。筋痙攣は、健康な人(通常は中年または高齢者)にもよくみられて、安静時にも起こることがありますが、特に運動中もしくは運動後または夜間(睡眠中も含む)に発生することが多いです。
下肢の筋痙攣(こむら返り)で最も頻度の高いタイプは以下のモノです。
① 良性特発性の筋痙攣(原因疾患がなく、典型的には夜間に発生する筋痙攣)
② 運動に伴う筋痙攣(運動中または運動直後に発生する筋痙攣)
ほぼ全ての人が一度は筋痙攣を経験しますが、リスクや重症度を高める特定の因子があるので、リスクや重症度を高める因子を紹介させていただきます。
① 腓腹部の筋が張っている(例,ストレッチ不足,運動不足,ときに慢性の下腿浮腫による)
② 脱水
③ 電解質電解質異常(例,体内のカリウムまたはマグネシウム濃度の低下)
④ 神経疾患または代謝性疾患
⑤ 末期腎不全患者における透析中の大量の水分除去
⑥ 薬剤
⑦ 特定の特定の毒素も筋痙攣を引き起こすことがあります。
上記に適応があれば、それらを改善するように取り組むことが重要です。
筋痙攣が起きた時に対象の筋のストレッチを行うことで痙攣が軽減される場合が多いです。例えば、腓腹部の痙攣を緩和するには、自身の手で足の指、または足を上に引き上げる(背屈させる)と改善することが多く、温熱(温かいタオル、温熱カイロ、入浴または温水シャワー)も効果があります。痛みが強い場合、冷却することで痛みの緩和に役立つことがあります。
筋痙攣の予防法としては、食後すぐに運動しないこと、運動後は十分に水分を補給すること、刺激物(例,カフェイン,ニコチン等)を摂取しないこと、そして、適度な運動を毎日行うことです。筋痙攣を予防する目的でしばしば処方される薬剤の大半(例,カルシウムサプリメント、キニーネ、マグネシウム、ベンゾジアゼピン系薬剤)は効力が実証されていないだけでなく、重篤な有害作用(例,不整脈、血小板減少、溶血性尿毒症症候群[HUS]、重度のアレルギー反応等)があるので、使わない方が良いようです。ピクルスの汁を推奨する運動コーチや医師もいますが、その効力に関するデータは不十分で、推奨されません。
by 頃僕来
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