一般的に記憶するという機能は、大別すると短期記憶と長期記憶に分けられます。短期記憶は、例えるとパソコンやスマートフォンなどのデバイスでデータを一時的に保存するような数十秒程度の保持ができる短い記憶で、長期記憶は、RAMメモリーや、データを長期的に保存するハードディスクといったような数日から数十年、あるいはそれ以上の長期間にわたって情報を保持できる記憶を言います。一時的な記憶は海馬に、長期的な記憶は大脳皮質に記憶されると言われていますが、短期記憶されたモノでも繰り返し使われる情報は、海馬から大脳皮質へと移動し、長期記憶として保存されます。また、海馬には長期的な記憶として保存するかどうかを選別するフィルターの役割も担っています。重要な情報は長期的な記憶として大脳皮質へ保存しますが、選別の基準は、覚えておく意味があると判断された情報、強い感情を抱いたり印象のある情報、反復された情報などです。
教科書を読むだけ、授業を聞いてるだけというような情報は、一時的な記憶となってしまい長期記憶としては残り難くなります。長期的に記憶する時は、興味を持って真剣に取り組んで、新しい発見に驚いたり、自分が経験して知っている情報と結び付けることで長期記憶に移行させ易くなります。そして、時間が経ってもその情報を覚えておく為には、一つのテーマを長時間も学ぶよりも短い時間に分けて、途中に休憩を挟む方が効率良く長期的な記憶に繋がり易いようです。また、復習する事でその情報に関するシナプス結合(情報伝達のための神経細胞ニューロンの接続)がより強くなるという研究報告もあります。忘れかけた情報を思い出そうとする時により強く記憶する事へと繋がるといった流れです。
技術習得を目指して練習を積んでいる時に、しばらく休んだり別の運動をしたりすることで、目的としていた技術が急激に上達することをレミニッセンス効果(運動休止効果)と言います。運動を行う時にも、同じことを繰り返すのでなく、色々な角度や方向から動かしてあげる方が良いので、運動のために歩くことばかりしている方は、違う筋肉を使う筋トレなどにも取り組んでみると効果がグーンと上がると思いますよ。
by トッポギ
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