基本的な生理現象なのに、マイナスなイメージが大きいおならは、健康な人で1日に8~20回、量では約200~2000mlのおならを出します。そもそもおならの原因の約7割は食事の際などに食べ物と一緒に口から飲み込んだ空気で、それ以外は腸内で食べ物を分解するときに発生するガスがおならとして排泄されると言われています。
ほとんどのガスは腸管に吸収されますが、吸収されなかったものが、おならとなって体外に出て行きます。おならは、腸内細菌のバランスが崩れたときや、早食いをしたり、ガムや飴を多く食べたときに、口から飲み込む空気が増えて出やすくなると言われています。また、口呼吸の人は舌の力が弱いため、物を飲み込むとき舌を上あごに押しつけることができず、食べ物と一緒に多くの空気も飲み込んでしまいます。
このコロナ禍の中マスクを付けるのが一般的になってしまっていますが、マスクを付けることにより口呼吸が助長され、おならの量も増えると考えられます。また、食事の内容によっても量は変化し、食物繊維を多量に含んだ食べ物は、「おなら」の量を増やします。これらの食物には難消化性の糖質がたくさん含まれていていて、それを細菌がガスに変えるためです。
腸の内側には栄養素などを吸収する役割があり、我慢してガスをためすぎると、栄養素のように吸収され、おならの臭い成分が血液に溶け込んで体を巡るため、体臭や口臭、肌荒れの原因になることもあります。ですから、おならを我慢し過ぎるのも良くないようです。
腸で吸収されなかったおならは、腸が伸びたり縮んだりする「蠕動運動」という動きで肛門まで運ばれます。長時間座っていたりするだけでも、腸が動きづらくなり、おならはたまります。適度な運動をして、おなかの動きを活発にするとともに、特にこの時期は口呼吸にならないように気をつけたいですね。
by コオロギ
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