私たちの体は、約37兆2000億の細胞からなり、毎日約8000億個の細胞が死に、同数の新しい細胞が造られていると言われています。新しい細胞ができる時には細胞分裂が起き、その時に約5,000~10,000個のDNAのコピーミスが生じ、遺伝子に傷ができてがん細胞が生まれるという説が一番信憑性が高いと有力です。しかし、通常は遺伝子が傷ついても、細胞が自然死したり、免疫細胞により排除されます。従って、遺伝子に傷をつけるような発がん物質を摂らないこと、免疫力の低下を防ぐことが重要です。遺伝子が傷ついて細胞が無制限に増殖する病気が「がん」と考えられています。遺伝子の病気なら遺伝が原因(体質)で、仕方がないと思っておられる方も多いと思いますが、「遺伝で起きるがんは、全体の5%に以下で、日本人の場合、感染症(肝炎ウイルス、パピローマウイルス、ピロリ菌など)が原因での発症は、欧米より多いですが、がんの原因の多くは生活習慣に起因しています。」とがん研究の研究者は言っています。
生活習慣の中で、がんの原因として明らかで分かりやすいのが、たばこ、酒、肥満、運動不足で、これらが重なると胃がん、食道がん、咽頭がん、大腸がんのリスクは高くなるようです。また、食事に関しては野菜摂取量の不足、動物性たんぱく質や貯蔵肉・塩分の過剰摂取はがんの原因となり易いですが、今後は輸入食材などが問題(農薬、保存剤など)になっていくと思われます。
肥満のがん発生リスクの理由は、がん細胞の自然死を抑制し、腫瘍細胞の成長を促進させ易い環境になってしまうからとのことです。それに対して、運動は、インスリン抵抗性を改善し肥満を防止するとともに、免疫力を高めるだけでなく、運動時の筋収縮でがん抑制物質を分泌させることも確認されています。がん予防、改善には、運動してしっかりと筋肉からの予防改善物質を分泌させる必要があります。運動は、がん細胞抑制効果も指摘されていますので、今年から取り組みたいですね。
by ドクトル・ノブ
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