冷え込んだ日は、夜間や早朝あまりに寒くて眠れないという人もいるのではないでしょうか。さらに、寒さに加えて電気代の高騰も気になります。そんな時は、部屋全体をあたためるのではなく、「ふとんの中」をあたためるようにすることがお勧めです。ふとんの中さえ適切な温度に保てていれば、寝室の空間全体をあたため続けなくでも、眠るのに問題はありません。このようなふとんの中の環境を「寝床内環境」といいます。
この「寝床内環境」を整えることで、睡眠の質も上がります。おすすめは湯たんぽや電気毛布、ふとん乾燥機などの暖房グッズです。ただし、これらのふとんを温めるグッズは、必ず寝る直前には取り出すか、電源を切るようにしましょう。身体からは眠っている間に熱が放出されるので、自然に温かさをキープすることができるからです。
また、身体の表面でなく、内臓など内部の体温である「深部体温」の関係も鍵になります。人間は、この深部体温が高ければ脳や身体の行動が活発になり、低くなれば眠くなります。人が眠りにつくとき、手足から熱が発散されて身体の深部体温が下がり、眠気が増長されます。寝入ってから3時間位で深い眠りに達すれば、脳も身体もしっかり休ませることができます。この状態をつくるには眠り始めるタイミングで深部体温が下がっていることが重要です。逆に、その状態をつくれなければ、どんなに長く寝たとしても身体の疲れをしっかり取ることはできません。この観点からも、ふとんの中をあたため続けるのはおすすめできません。ぐっすり眠るためにはずっと身体があたたかい状態ではいけないのです。
また、冷え性など血行不良の状態では、深部体温の上下動の幅が小さくなり、そもそも眠気が訪れにくい状態といえます。冷え性は運動をすることで改善できますので、運動不足の人は、身体を動かすように努めましょう。
by コオロギ
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