「腸骨筋」という筋肉をご存じの方は少ないですが、腸腰筋の一つと言われると知っているという方も出てきます。腸骨筋は骨盤の内側から大腿骨に付着している筋肉で、大腰筋と合わせて「腸腰筋」と呼ばれます。身体の深い部分にあり、普段はあまり意識することのない筋肉ですが、私たちの基本的な動作を支える大切な存在です。
腸骨筋の主な働きは「股関節を曲げること(屈曲)」です。歩くときや階段を上る、走るときなどに太ももを引き上げるなど、日常生活のさまざまな場面で働いています。また、腸骨筋は脚を動かすだけでなく、骨盤と股関節の動きにも関わっています。だから、腸骨筋を含めた股関節周囲の筋肉を適切に使えることは、安定した姿勢やスムーズな歩行にもつながります。
特に年齢を重ねて運動量が減少すると、脚を持ち上げる力が低下しやすくなります。歩幅が小さくなったり、ちょっとした段差につまずきやすくなったりする場合には、
股関節周辺の筋力低下も原因の一つとして考えられます。そこで、自宅でも簡単にできる運動が「立った状態でのもも上げ」です。背筋を伸ばして立ち、片脚ずつ膝を腰の高さを目安に持ち上げます。このとき、身体を後ろへ反らしたり、勢いを使ったりせず、股関節から脚を持ち上げることを意識して、左右10回程度から始めてみてください。バランスが不安な方は、壁などに手を添えて行ってください。
もう一つおすすめなのが「椅子に座ってのもも上げ」です。椅子に真直ぐ座って
、片脚ずつ膝を胸の方向へ持ち上げて、ゆっくり元の位置へ戻します。腰が大きく反らないように、お腹にも軽く力を入れて行うことがポイントです。慣れてきた方は、その場でゆっくり足踏みをするのもおすすめです。姿勢を崩さず、左右交互に膝を持ち上げることで、腸骨筋だけでなく、立った状態で身体を支える力も一緒に養うことができます。
大切なのは、回数をたくさんこなすことよりも「良い姿勢で丁寧に動かすこと」です。腸骨筋は目立つ筋肉ではありませんが、「立つ・歩く・階段を上る」といった生活の基本を支えています。いつまでも自分の脚でしっかり歩くために、自宅での「もも上げ」から身体づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
by 参鶏湯
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