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熱中症予防に筋肉⁉

 筋肉は、あらゆる動作に必要な器官ですが、動作のほかにも、筋肉にはたくさんの重要な役割があります。エネルギー消費や身体に水分を貯蔵することも筋肉の作用です。成人男性では体重の約60%、成人女性では体重の約55%が水分でできていますが、全身の半分以上の水分が筋肉に蓄えられており、筋肉はいわば貯水タンク的な存在です。夏場、高齢者や子どもが熱中症を起こしやすいのは、水の貯蔵庫である筋肉が少ないことも関係しています。
 加えて筋肉は、ホルモン(生理活性物質)などを合成、分泌する「内分泌器官」としての役割もあります。近年の研究で、筋肉からさまざまな物質を分泌していることが確認されて「マイオカイン」と呼ばれています。例えば、マイオカインの一つは、筋肉への糖の取り込みを増やして血糖値を安定させたり、または脂肪を溜め込む「白色脂肪細胞」に作用して、エネルギーを燃焼する「褐色脂肪細胞」に変化させたり、認知症やがん抑制にも関係するマイオカインがあることも実験などで確認されてきています。さらに、運動中には、脂肪組織や肝臓など、さまざまな組織からも生理活性物質が分泌されることもわかってきました。
 これらの筋肉の作用を考えれば、筋肉が衰え、筋力や身体機能が低下しているサルコペニア、ロコモティブシンドロームや心身のさまざまな機能が低下するフレイルが問題になっている高齢者ばかりだけでなく、子どもから大人まで全ての人が、適切な“量”の、“質”の良い筋肉を持っている必要があることがわかります。そして、筋肉は量だけでなく、質も大切です。筋肉は、使ってあげることで機能は維持され、適切な作用もしてくれます。しかし、偏った使い方や使わないといくら筋肉量があっても正常な機能には至りません。ですから、筋肉の質の向上のためにも無理なく、適度に身体を動かすようにしていただく必要があります。熱中症予防には、適度な水分補給も必要ですが、それ以上に適度に身体を動かす方が大切です。
by 筋知良
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